欧州小売ブランドの生産サプライチェーンに労働者不足が発生

近日中に、労働人権組織Labour Behind the Labelは、欧州の有名ファッションやスポーツアパレルブランド40社を対象に、製衣労働者の賃金支払い状況に関する調査を行った「オーダーメイドの賃金（Tailored Wages）」というレポートを発表した。報告書によると、欧州の小売業者にはDebenhams、Matalan、North Faceが含まれており、いずれも加工工場の労働者に基本給を清算していないため、サプライチェーンに労働者不足が発生している。

調査を受けたブランドの半数はその規範の中で賃金が労働者の基本的な需要に合致しなければならないことを明文化しているが、この規範の現在の実施状況を明確に説明できるのは4つのブランド（Inditex、Marks&Spencers、Switcher、Tchibo）だけだという。しかし、調査に参加したすべてのブランドは、製衣労働者の基本給を完全に支払っていない。

このレポートの著者アンナ・McMullen氏は、「基本給を得ることは労働者の人権ですが、驚くべきことに、ヨーロッパの有名企業40社はそれをしていません。これらのブランドは多くの場面で労働者の基本的な生活を重視していることを示していますが、彼らは実際に行動していません。最も失望したのは、多くのコミットメントが会社の規範と企業の社会的責任のパンフレットに限定されていることです。世界で数百万人の人口は製衣産業に依存して生存しているため、ブランド商が紙の約束を履行し、直ちに具体的な措置を取って労働者に基本給を支払うことができるかどうかは非常に重要だ」と述べた。

調査報告書は、少数ブランドこれに対して、Tシャツの生産を主とするスイスのカジュアル衣料ブランドSwitcherが工場費を支払うほか、さらに1%の費用を支払い、そのお金を直接労働者の口座に振り込むなどの革新的な取り組みを実施した。スペインの小売大手インディテックスも、世界産業総労働組合のインディストラルと手を携えて労働者の賃金問題を解決しようとしている。これに対しアンナ氏は、「これらの革新的な方法の出発点は良いが、すべて試験段階にあるので、労働者たちはそんなに長く待てないだろう」と話した。

カンボジアなどの重要な既製服製造国では、製衣労働者の賃金に関する議論が続いている。現在、カンボジアの既製服や製靴労働者の月給は100ドルで、労働者たちは最低賃金ができるだけ早く月給160ドルに引き上げられることを望んでいる。

労働人権組織の責任者は、「サプライチェーン上の労働者不足を解決するには、価格や調達方法を変えることで、製衣労働者のに利益を与える、労働者たちは賃金で最も基本的な生活水準を維持しなければならない。」