世界経済：世界の綿花増産予想と市場情緒の変動に注目

今年の北半球綿花の播種は順調で伸びがよく、市場は世界の綿花増産に対する期待が強い。現在、綿花の摘み取りまで1ヶ月ほどあり、この間の天気変化と綿花の生産量への影響には注意が必要である。米農務省の8月の予測によると、2024/25年度の世界の綿花生産量は2561万トンで、前年同期比88万トン増加した。綿花の消費量は2530万トンで、前年同期比84万トン増加した。

米国では、天候条件が有利で農業技術が進歩しているため、米国の綿花生産量は370万トンと大幅に増加する見通しで、昨年の260万トンから大幅に回復した。増加の原因は栽培面積の増加、単産の増加、綿花の抗病能力の向上にある。

インドでは、2024/25年度の綿花生産量は550万トンと推定されている。生産量が増加した原因は、栽培面積が拡大し、高生産の遺伝子組み換え綿花品種を採用し、農薬の需要が減少したことにある。インドの綿花部門は、最低支持価格（MSP）や各種補助金など、農民を支援するための政府の取り組みに恩恵を受けている。また、同国の多様な気候条件と大量の農業労働力が大きな生産能力を促進している。

ブラジルでは、2024/25年度の生産量は365万トンと予想されており、有利な気候条件、技術進歩、大規模な農業経営が同国の綿花生産に恩恵をもたらす。ブラジルの綿花は高品質で知られ、国際市場の厳しい要求を満たしている。パキスタンでは、2024/25年の綿花生産量は130万トンと推定されている。同国は食糧不足、虫害感染、時代遅れの農業方法などの挑戦に直面している。しかし、この部門の近代化の努力には、遺伝子組み換え綿品種の導入とより良い害虫管理技術が含まれており、生産能力の向上が期待されている。

最近、FRBの9月の利下げに対する市場の期待は高まり、一部の西側先進経済体の通貨緊縮政策は緩み、今年に入ってカナダとスイスはそれぞれ2回、欧州、英国、スウェーデンはそれぞれ1回利下げした。米国の7月住民消費価格指数（CPI）は前年同月比2.9%増となり、4カ月連続で低下し、インフレの冷え込み傾向がさらに強固になるとともに、7月の小売売上高は前月比1%上昇し、市場予想の0.3%を上回り、米国経済の軟着陸に対する市場の自信をさらに強めた。

また、日銀の植田和男総裁は8月23日の国会聴聞会で、7月の利上げが経済と物価に与える影響を慎重に検討してさらなる利上げの是非を決定すると表明したが、金融緩和の基本的な立場は変わらないが、現在の金利は依然として非常に低く、景気が良ければ金利水準を中性的な水準に引き上げると述べた。市場は短期的には日本の利上げ確率が低いと予想しているが、年内に再び利上げする可能性は排除できない。